スローガン、理事長所信

理事長所信

はじめに

新型コロナウイルスの蔓延によって、私たちの生活は一変しました。ごく当たり前だったことが、不意に問い直しを迫られました。取り巻く情報がいっそう膨大で混沌としたものになっていく中、今もなお⻑引くコロナ禍においての国⺠の不安は多岐にわたり、依然として今後の見通しは不透明な状況が続いています。

一方で、パンデミックの経済・社会への深刻な影響を経験したことで、経済合理性ばかりを追求した社会の脆さ、質的な成⻑と持続性確保の重要性を再認識し、ポストコロナ時代に向けては、世界の潮流を自分ごととして捉え、常に変化に構えておく必要性について学ぶことができました。

こうした社会の中において、今のあなたは、未来に対してどのような気持ちでしょうか。
どうせ無理。
いつかどうにかなる。
ただ漠然と不安視、楽観視することで立ち止まり、自ら変化することを諦めてはいないでしょうか。

私たちは、これからの未来を生きていく存在であり、次世代に未来をつなぐ存在でもあります。このまま現実を見て見ぬ振りをすることは、自分の人生に直接影響するばかりでなく、あなたの大切な人やまちの未来に何も残すことができません。先人達から受け継いだ今を生きる私たちは、直面する現実から目を背けず、自ら変化を起こし、より良い未来へつないでいかなければなりません。

「一隅を照らす、これ則ち国宝なり」
という言葉があります。天台宗の開祖である最澄の言葉で、「一人ひとりが自分のいる場所で精一杯努力をし、明るく光り輝くことのできる人こそ、何物にも変えがたい貴い国の宝である」という意味です。一人ひとりの光は小さくとも、周りを照らす光となり、その重なりがまち全体を、そして社会全体を照らしていくことにつながるということです。

あなたが変化の起点となり、個性や強みを存分に活かしながら、それぞれの置かれている場所や立場で全力を尽くすことが必要です。あなたのその行動が周囲の人々の心を打ち、その人々もひたむきに努力をする。そうしてお互いに良い影響を与え合うことで、いつしかあなたの思う、より良いまちの姿へと変化していくのです。

未来は必ずより良くなるのだと信じ、一隅を照らす光となって、共に輝きを拡げていきましょう。

多様性によって組織を進化させる

「明るい豊かな社会」の解釈として、あらゆる人が様々な選択肢の中で挑戦ができ、多様性を認め合いながら地域で安心して暮らせる社会、があると考えています。そのような社会では、個人が働きがいや生きがいを感じながら、それぞれの個性を活かして躍動し、豊かさや幸福を持続的に両立することができるのではないでしょうか。

私たち組織にとっても、多様性は重要です。社会環境の変化によって地域ニーズは複雑化しており、加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って新たな課題が発生しており、私たちは今後さらに多くの分野においてその役割を期待されると考えられます。私たちが、そのように幅広い課題に対応した運動を展開していくためには、目的に向かって、多様なメンバーの視点を取り入れ、それぞれが個性を活かして役割を全うし、周りにも心を向けることができる、一枚岩の組織であることが望ましいと言えます。

多様性の理解は、お互いに何でもあり、ということではありません。多様性を個人都合の一方的な要求として使うと、相手をねじ伏せるような主張がぶつかり合い、そこには何の価値も生み出すことができません。また、自分の意見を隠し、ただ周りに合わせるだけ、ということでもありません。相手に敬意を払い、考えをよく聴き、考えを述べ、相互理解の道具として使えば、お互いに新たな視点が生まれ、共通の目的に向けて強く走り出すことができるのです。

人間力をより高め一枚岩の組織へ

組織が一枚岩となるには、メンバーの人間力を高めることが重要です。では、ここで言う「人間力」とは何を意味するでしょうか。

はじめに、解釈を変える力です。

これまでの自分の解釈だけで物事を判断せず、相手の立場に立って考えることです。誰でも自分ルールをもっています。あなたの中にある「こうすべきだ」「こうでなければならない」などは、自分ルールによる、あなたの思い込みや決めつけの場合があります。相手が自分ルールに外れると怒りを覚え、自分ルールが絶対的である言動を取ってしまうことがあります。そのルールや言動が、相手にとって、組織にとって、本当に価値のあるものなのか向き合い、選び直すことが必要です。

次に、気付く力です。

人との関係において、自分の行動は正しいのか常に意識する、あるいは、相手のためにどうしたら良いかということを基本に、言動を選ぶということです。あなたが苦労をしているとき、あなたの周りはもっと苦労しているかもしれません。それに気付くことができれば、あなたは、自分だけがなぜこんなにも苦労するのだ、と他人や組織を批判することも無ければ、むしろ周りを励まし、勇気付けることで、きっと人を喜ばせることができるでしょう。一方で、それに気付かない人は、思いも寄らないところで人を傷つけ、あるいは人から敬遠されることになるでしょう。組織にとって、大きな問題となる自らの私利私欲は、一旦横に置いておき、人を喜ばせることを基本にした考えをもつことが非常に大切です。

最後に、凡事徹底の力です。

まずは自分が与えられた役割を全うする。その役割を通じて、絶えず周りの人に喜んでもらう。周りの人を楽にしたいという気持ちで、自分がコツコツと行動する。そのひたむきな姿に共鳴者が現れ、いつの間にか周囲も行動を始める。さらに徹底して継続していると、地域が、社会が行動していくということです。いきなり地域、社会を変えようとするのではなく、まずはあなたがやると決め、行動を始め、諦めずに続けることが重要です。

これらの力を基本としてメンバー全員が人間力を高めること、さらに、自らで広がりをもたせてアップデートすることができれば、私たちの組織は多様性への柔軟さをもちつつ、強い一枚岩になると考えます。

JCI高槻がまちに必要とされ続けるために

<地域をリードする運動の展開>

私たちは、事業を通じて地域課題を解決する仕組みをつくり、まちの未来をより良くする「課題解決実行集団」です。私たちの運動が共感され、まちに必要不可欠な存在としてあり続けるためには、運動の成果でもって認められていくものだと考えています。そのために、行政の政策課題に目を向けることや、各種諸団体、住⺠から解決すべき地域課題として何があるのか、様々なお声をいただけるような関係性を積極的に構築し、地域のニーズと乖離した独りよがりな運動とならないことが重要です。また、たった一度きり、その場限りの事業では、まちにより良い変化を起こすことは難しいでしょう。まちに広がりをつくるストーリーを描き、あるべき姿から逆算することで、今本当に必要な事業を構築する必要があります。

<広報と組織ブランディング>

地域課題を解決する団体としての認知度や存在価値を高めていくには、発信を強化し地域内外から共感を得ることが必要です。誰に、何を、いつ、どの媒体で発信するのか整理し、戦略的な発信を行うことが効果的だと考えられます。そして、情報は目指すべき相手に適切なタイミングで届くからこそ価値があるものと理解し、これまで以上に発信の頻度を意識しなければなりません。また、どこにでもある情報を流すだけでは誰の心も揺さぶることはできません。JCI高槻だからこその専門性にこだわることが、組織のブランド価値を向上させると考えています。さらに、ただ実施しただけ、の広報にならないためにも、広報の結果や問題点を整理しデータ化することで、評価と改善の仕組みを構築する必要があります。

55周年から60周年へ

私たちは、2022年に創立55周年を迎えます。50周年に策定した「50周年から55周年に向けての提言書」で示された4つの軸、「共育」「地域リーダーの育成」「安心安全への取り組み」「魅力あるまちづくり」のもと継続して運動を展開するとともに、これまでの運動が地域社会にどれほど寄与してきたのかを検証し、総括します。そして、5年後の高槻・島本のまちの発展と、私たち組織の発展を見据え、JCI高槻としての在り方を考えます。また、その指針となる60周年への中⻑期ビジョンを、「社会」「環境」「経済」「人財」「組織」などの軸をもちながら策定し、発信するための会議体を設置します。さらに、⻑きに渡ってJCI高槻を築いてこられた先輩諸兄姉、友好関係を築いてくださった各LOMの皆様、私たちの運動に理解とご協力をいただいている皆様へ感謝の意を示し、まちの未来を担う強い意思を示すために、55周年記念式典を開催します。そして、コロナ禍によって失われた様々な機会を見直し、まちに活気と希望をもたらす55周年記念事業を行います。

近畿地区大会高槻大会主管としての益の追求

2022年度は、JCI高槻の創立以来初となる、近畿地区大会高槻大会を主管いたします。公益社団法人日本⻘年会議所近畿地区協議会の最大の運動の発信の場として、近畿地区内各LOMのメンバーやまちに住み暮らす方々から、ご期待いただくこととなります。私は、近畿地区大会高槻大会を、高槻・島本のまちの魅力を最大限に発信する絶好の機会として捉えているとともに、近畿地区内の広域連携によって、近畿地区内各地と高槻・島本のまちの課題解決をスタートさせる日、と位置づけています。ご参加くださる方に、学び直しも含めた充実した学びの場を提供したいと考えています。そして、日頃より多大なるお力添えをいただいている先輩諸兄姉、まちの未来のためにご協力くださる大阪府内各LOM理事⻑をはじめとするメンバーの皆様、まちの発展を願い私たちの運動をご理解くださっている市⺠・町⺠、行政、諸団体の皆様とともに、私たちが一丸となって、近畿地区大会高槻大会がまちの持続的な発展へのひとつの起点となることを目指します。

会員拡大の推進

会員拡大は、まちにより良い変化を起こすことのできる人財を輩出する私たちの活動にとって、その根幹をなすものです。なぜなら、JCの理念や目的に共感し、行動できる人財を一人でも多く増やすことが、地域における私たちの価値を向上させ、まちに必要とされる組織として在り続けることにつながるからです。私たちは、社会の変化に柔軟であるために、多様性に富み、個人が輝く組織となる必要があります。幅広い人財が活躍できる組織となるためには、性別、国籍、生まれ育った環境や障がいの有無、職種や役職に囚われず積極的な会員拡大を行うことが重要です。そのため、各委員会とともに戦略と行動計画を策定し、会員拡大を組織全体の担いである意識を醸成し、組織的な拡大行動につなげます。また、組織の多様化を進める上でのLOMの環境整備についても調査・研究を行います。

メンバーの成⻑を支える仕組みづくり

私たちは、高い人間力をもち、まちにより良い変化を起こすことのできる人財を輩出する、いわば人財育成のプラットフォームです。会員拡大の推進によってメンバーの約6割が在籍3年未満という短期化が進む中、新入会員とともに、在籍年数に関わらず全てのメンバーが、JCの理念や目的を学び、まちに変化を起こすことのできる人財となるための成⻑の仕組みをつくりあげなくてはなりません。地域に求められる人財の資質を明確にし、その資質を向上させるために、例会・事業や諸会議での学びの機会提供だけでなく、JCI日本公認プログラムのように質の高いコンテンツの活用や経験豊富なメンバーや先輩諸兄姉のご協力によって年間を通じた学びの場をつくります。またJCIASPAC堺高石大会への積極的な参加や海外姉妹JCとのネットワークを活用するなど国際の機会によってもメンバーの成⻑を支えます。

まちの魅力資源を開発し、新たな地域の価値を創造する

人口減少と少子高齢化の進行による消費の縮小や税収の減少など、経済の縮小に加え、地域活動の担い手の減少や空き家の増加など、地域活力の低下が懸念されている中、地域資源を活用した地域活性化が期待されています。私たちは、人々の共感を生み、住⺠が愛着や誇りをもち、地域ブランドとして成⻑していく新たな価値を創出する必要があります。他地域の成功モデルを追い求めて焼き直すのではなく、地域の歴史、文化、自然などの資源に着目し、高槻・島本でしか提供できない価値を追い求め、決して一過性ではなく、地域コミュニティによって成⻑をし続ける、持続可能な価値を創出します。そのために、新たな地域の価値が形成、維持、発展していくプロセスを設計したうえで、単年度でまず行うべき事業を実施します。

防災・減災への取り組み

高槻・島本のまちは、近年、相次いで発生した自然災害によって大きな被害を受けました。また、南海トラフ巨大地震が30年以内に約7割の確率で発生するとも言われており、甚大な被害が懸念されています。大規模地震や水害・土砂災害は常に起こり得るものであり、災害に強い強靱なまちづくりを進めていく必要があります。災害発生時における行政や公的機関による対応「公助」の機能には限界があることから、平常時から災害を自分ごととして捉え、防災・減災対策を推進し、自らの身は自ら守る「自助」、自分たちのまちは自分たちで助け合い守る「共助」といった防災意識が醸成された地域社会を構築することが重要です。そのために、行政、公的機関、企業、諸団体、住⺠が一体となって防災の意識を浸透させることで、災害時の適切な初動対応やその後のフェーズにつなげるための優れた地域防災ネットワークの強化を推進します。

子供たちの未来に寄り添う

将来の変化を予測することが困難なこれからの時代において、すべての子供たちが、自らの人生を自らの手で切り拓く力を身につけ、まちの持続的な発展に貢献できる人財に育てることは、私たち大人の責務と考えます。目標に向かってやり抜く力、幅広い知識・教養と柔軟な思考力をもち新しい価値を創造する力、多様性を尊重し他者と協働する力など、いわゆる「非認知能力」を育む取り組みを進めることが必要です。そして、教育は家庭、学校、地域の三者協働にとどまらず、産官学⺠が柔軟に連携し推進される必要があります。多様な連携によって、子供たちが未来を生きる力を身につける場を作り、私たちも共に学び成⻑する共育の機会を追求します。また、子供たちが多様性を理解し、礼儀作法を学び、自立した人間として他者と共により良く生きるための道徳性を向上させ、人間力を形成していくには、スポーツは最適と言えます。オリンピック・パラリンピックの開催によって、トップアスリートたちの高い人間力に魅了された人も多いでしょう。スポーツを通じて、たとえ勝負に負けたとしても相手を称え、自らを支えてくれている周りの人々にも感謝ができる強く前向きな心を養い、心豊かな子供たちの育成を推進します。

結びに

1966年、高い志をもった63名の⻘年によって、国内350番目のJCとしてJCI高槻は誕生しました。創立以来、高槻・島本のまちをより良くするために積み重ねて来た運動は、まちに多くの共感を生み、まちの発展に寄与してきました。私たちは、社会の様々な価値観が劇的に変わる中においてもその変化を柔軟に捉え、まちの課題に目を向けて、率先して行動することによってまちの未来をつくる存在です。どんな困難に直面しても、決して思考を停止させることなく、挑戦を繰り返す。先人達が努力し築き上げた未来に生きる私たちが、その恩を未来に送り続けることが、私たちがすべきことです。あなたから始まる一歩がどんなにささやかであれ、必ず未来により良い変化を生み出すのだと信じています。

多様な個性が輝く高槻・島本の実現に向け
一人ひとりの可能性を解き放ち
一隅を照らす光となって躍動しよう。