スローガン、理事長所信

理事長所信
人の成長は人に与えられることで成しえる。
私の社会人のスタートは就職することではなく、知人の勧めで独立開業をすることでした。仕事について誰かに教わることなく、与えられた情報から何をすべきかを考え、どのように行動すべきか自分なりの答えを出しながら進めることから始まりました。その中で多くの方から、指摘をいただくことがありました。そうした経験を通して、正解の形や在るべき姿には、様々な見解があることに気づき、正解もなければ不正解もないという結論に至りました。一緒に関わる人が納得できる状態をつくるのが大事で、人との関わりにおいては関係性づくりが何をする上でも最重要に考えるべきです。
関係性づくりにおいて、何が重要だと思いますか。それは、相手の状況を考えるということです。家庭、社業、JC活動においても同じことが言えると思います。どんな関係の中でも当てはまるようないつでも使える関係性づくりの方法は、それと同時に、人が人のために何をすべきという正解はなく、一人でも多くの人と共感を図れるような方法を考えるのが重要です。
そして人の成長は、人との関わりの中から生まれるものであって、どのように関わるかで人の成長の仕方は大きく変化します。真摯に向き合えば向き合うだけ、新しい考え方に触れることとなり、それによって様々な課題に対する答えを創出する力は成長していくものです。
【はじめに】
1966 年 10 月 28 日、当時 63 名の志高き青年のもと、この高槻青年会議所は 350 番目の青 年会議所としてこの高槻・島本の地で誕生しました。高度経済成長期からバブル崩壊、そして想像し得ぬ苦難を乗り越えながら激動の時代を駆け抜け、今日までに地域に根付いた運動に先輩諸兄姉を始めとして当団体が大きく関わってきました。また、昨年は創立 55 周年の節目を迎え、「社会」「人材」「組織」「環境」「経済」を5本柱とした中長期ビジョンが策定されました。様々な考え方や価値観をもった人・企業・団体が、協力しながら社会課題にアプローチし、共に新たな価値を生み出していく。そんな地域社会を形つくるべく、56 年 の歴史と高い「志」を継承し、中長期ビジョンを軸とした活動を通じて、60周年に向けて邁進していきます。
【メンバー同士のつながりの強化】
多彩な仲間により構成される組織が目的を達成するためには、一人ひとりの共通認識をもつこと、活動へ関心を強くもつことが必要となります。そのためにはより多くの共感が必要となり、共感を生み出すためには関係性づくりが必要であると考えます。人と人のつながりを強化するのは、何度も対面で会うことを通して、相手の長所を感じたり、自身の考え方が相手と共有されたりすることで、お互いを深く理解する経験があるからです。現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で対面できない状況が多かったことで、非対面でも活動ができる環境が整ってきました。また、メンバーの過半数は新型コロナウイルス感染拡大の時期に入会したメンバーであるという状況もあります。つながりを強化するため、感染対策を考えた上で対面できる機会を増やすこと、リモートとリアルを組み合わせた活動にしていくこと、それによってどのような状況下においても関係性を深める交流しやすい環境づくりを目指してまいります。
【持続化するよりよい組織づくり】
組織を継続していくためには、それぞれの時代に応じた組織の在り方を追求する仕組みづくりが必要です。日本青年会議所には我々のような青年会議所メンバー向けの組織力を向上させるプログラムがあります。高槻青年会議所では率先して、そのプログラムを導入し、メンバー一人ひとりの意識向上を実現します。私たちの目的や使命における共通認識を持ち、それが一人ひとりの活動意義とつながるということを理解することで、強く共感をもった組織を作り、ひいては組織の発展と個人の成長を実現していきます。
【体験から始まる JC 活動への関心】
青年会議所の活動は地域に根付いたものが中心となります。その各地の活動が、都道府県、地方、国家、世界と広がっていき、アプローチ方法が大きく異なります。青年会議所としての活動趣旨は変わりませんが、規模が変われば見え方が変わります。各規模の活動に参加することでそれぞれの機会に触れることができ、個人の成長に大きな影響を与えると考えています。まずは参加してもらうことを通じて自分自身の仕事や家庭、地域の活動に活かせることを感じる。それが組織内で共感されることを通じて、一つでも多くの成長の機会に参画する組織を目指します。
【地域の課題発掘、解決するパートナー発掘】
地域、各自治体にはそれぞれが抱える課題が存在します。我々は地域社会の活性化に取り組む団体である以上、それらを知る必要があります。重要なのは地域の言葉に耳を傾けることだと考えます。そして、一緒に課題と解決イメージを考え、その地域に住まう人々が明るくなる状態を目指していくことが必要です。数多くの自治が存在する中、まずは特定の地域コミュニティを選定することで地域とのつながりを強化し、解決策として継続的にアプローチができるパートナーが必要だと考えています。課題事例と解決事例は積み上げて行くことで、様々な事業へのノウハウへと転換させ、パートナーと協力して多くの地域へ情報を発信してまいります。
【時代の変化に対応する次世代教育】
子供達が教わる環境は、コロナ禍による急速なデジタル化により、デジタル教科書、リモート授業などが促進され、教える側やサポートする周りの人たちの状況も変わりました。今までは、学校や塾では先生と一緒に学ぶこと、家庭では家族と一緒に学ぶことが学びの中心でした。デジタル化が促進されることで、自分自身で調べて解決していくことが求められ、主体性が高まる一方、学びの中におけるコミュニケーションが減ることで人から認められるという機会が減っていると感じます。その中で必要とされるのは、共感のような人とのつながりで、人から承認されているという体感から得られる達成感であり、それが次の目標に向かって努力するきっかけになるということです。現在の子供達のおかれている現状を踏まえて、行政と意見交換しながら、時代の変化に対応できる青少年の育成を目指します。
【高槻市防災ネットワークとの連携】
災害とは突然訪れるもので、日頃からの備えが重要です。台風や地震など実際に大きな災害が起こった状況を想像してみてください。誰に助けを求め、誰から情報を求め、どのように行動すべきかわかるでしょうか。現代社会においては自治の加入率の低下や近隣住民の関係性の希薄化によって、各家庭での有事の際の行動に混乱する事例も多く見られます。情報はメディアを中心として流れているため、当事者でしか知ることができない情報、現場で欲しい情報が錯綜するような状況になることがあります。我々は2022年度に締結した高槻市防災ネットワークを活用して、有事を想定した在るべき姿を考えてまいります。
【地域を巻き込んだ広報】
我々の活動はどれだけの人々に伝わっているのでしょうか。誰のために、何のために、なぜ事業を行うのか、地域への影響が明確なものであれば、より多くの人の共感を得ることができます。事業を行った後の発信を繰り返すことで、我々の存在意義や必要性を感じてもらえるような広報の仕組づくりを実践していきます。地域の方々へ我々の活動への共感や興味をもってもらうためには、地域で関係のある、あらゆる団体と連携しながら一緒に広報を実施していくことが必要であると考えます。そして、1年を通じて活動の意義を共に伝え続けることで共感を生み出し、地域との相互理解を通じて、今後の活動にご協力していただける広報を実施してまいります。
【地域へ浸透させる会員拡大】
青年会議所は、活動に参加したメンバーの能力を向上させる成長の機会を提供し、リーダーとして活動する機会によってリーダーシップを養うことができます。そのためには、メンバー一人ひとりが入会して良かったと思える環境を整え、組織のポテンシャルを底上げする取り組みを実践し、新しい仲間を迎えやすい体制をつくることが必要です。また、広報と協力して地域の関係諸団体へ高槻青年会議所の活動を発信することで、一緒に活動してくれるメンバーを増やすきっかけや地域の方からこの団体で活躍してみたいと声が上がるような環境づくりを実施してまいります。
【おわりに】
近年、DXの推進が急激に進む中、ライフスタイルが変化し、新型コロナウイルス感染症対策としてウェブを中心としたインフラ強化が確立されています。それにより、どのような状況下でも活動ができる状態になってきている現状があります。このような状況だからこそ、我々はまちづくり団体の先駆者となり、誰のために、何のために、なぜ活動をするのか、どのような運動が最適なのかを考え、人と人との関係を強化し、メンバーが一致団結して地域から必要とされる魅力ある組織を構築してまいります。